2024年9月 開催報告

・ご挨拶
2024年9月21日、第83回 CUD 友の会がオンライン(ZOOM)にて開催されました。
今回は、色覚と職業(鉄道を中心に)でした。参加いただいた皆様、ありがとうございました!

・自己紹介(これを書いている人)
CUDO 個人賛助会員の tana です。色覚型は、Da(D弱、2型3色覚)です。
CUD 友の会では、毎回の内容の打ち合わせの準備、進行用スライドのマスタ作成などを行なっています。
時々、司会進行などで表に出てきます。

・内容
まず、CUD友の会側から3点、話題提供を行いました。
 1)国交省通達の紹介
   https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo08_hh_000109.html
 2)鉄道関連企業の採用情報の調査
 3)鉄道信号の話

 1)国交省通達の紹介
   国土交通省から出されたリリースについて紹介しました。
    概略を説明し、特に色覚に関する制限が緩和された…ように読めるが実際はどうなのでしょうね?
    というあたりをコメントでいただきました。少子高齢化の影響もあり、鉄道各社の選択肢としては、
    自動運転か、運転士の募集要件の緩和か、という方向に向かっている印象を受けます。
    このリリースが採用条件に実直に反映されるのであれば、色覚当事者の若者も鉄道の運転士として
    活躍できる可能性が高まることになります。
 
 2)鉄道関連企業の採用情報の調査
    上記のリリースを受けて、CUD友の会の世話人のおひとりが鉄道関係企業のホームページをいろいろ
    調査してその結果の概略を報告いただきました。大手鉄道会社から地方のローカル路線まで、
    幅広く調査をいただいておりました。その量には、参加者からも驚きの声があがりました。
    傾向としては、業務に支障がないことといった表記が多いようでした。
    この調査は、CUD友の会とCUDOで協力してブラッシュアップしたいです。

 3)鉄道信号の話
   過去にCUDOから議員連盟(ユニバーサル社会推進議員連盟)へ行われた質問とその回答の紹介、
   鉄道信号の仕組み、その種類、今回の国交省のリリースについての所感などを紹介いただきました。
   また、先行事例、類似事例として、自衛隊、消防士、警察の採用に関する色覚との関連についても
   紹介いただきました。

さらに、参加者のみなさんからは、線路、駅に設置されている鉄道信号の実際の写真、鉄道の車内信号(運転席に表示される信号)、交通信号(いわゆる道路に設置されている信号)との比較、また、色弱者の判定が石原式依存になっていることの問題点と類似例としての海外での航空パイロットの試験、海外での自動車運転経験などについても紹介いただきました。
みなさまのおかげで、さまざまな視点から議論を行うことができました。

もっとも印象に残っていることは、やはり、装置そのもののCUD化が重要ではないか?という指摘です。
車内信号であれば、そもそも線路に信号機を設置する必要もなくなります。また、車内信号の方式として色分けによる呈示ではない(速度メータの横にLEDランプが仕込まれており、その点灯する幅のなかに速度をおさめるように調整する)ことから、そもそも色を区別する必要がなくなるそうです。そういった技術の進歩により、装置、機器のCUD化を進めることが重要である反面、装置のメーカも試行錯誤されているようです。そもそも、いままでは色弱者の存在を考慮する必要がなかった(試験で落としていた)のです。運転士の人材確保の観点から、色弱者へ配慮するように業界、組織が変わっていくのであれば、それに伴い、装置、機器などの仕組みも併せて変えていく必要があります。業界団体、メーカと色弱当事者団体が協力してCUD対応機器が研究、開発されることを望みます。そして、いつかは色弱の当事者の子であっても、電車の運転士さんになりたいという夢をあきらめなくてもよい社会になるように、私たちも微力ながら普及活動に取り組んでいけたら、と気持ちを新たにした回だったと思います。

参加いただいたみなさん、ありがとうございました。


・次回予告
10月19日(土)にお会いしましょう。

・アンケートのお願い
参加された方には、ぜひ、参加者アンケートのご協力をお願いします。

以上です。