2024年4月 開催報告

・ご挨拶
2024年4月12日、第79回 CUD 友の会がハイブリッド(対面+ZOOM)にて開催されました。
CUDO個人賛助会員、そして、岩波書店の辞書編集部にお勤めでもある平木さんをお迎えしてのご講演、交流会でした。
平木さん、そして、参加いただいた皆様、ありがとうございました。

・自己紹介(これを書いている人)
CUDO 個人賛助会員の tana です。色覚型は、Da(D弱、2型3色覚)です。
CUD 友の会では、毎回の内容の打ち合わせの準備、進行用スライドのマスタ作成などを行なっています。
時々、司会進行などで表に出てきます。

・内容
平木さんの自己紹介から始まり、幼少期のこと、ご自身の色覚を意識したきっかけなどをお話いただきました。
併せて、今のお仕事である広辞苑の話題にも触れながら、過去の版と現在の版での色弱、色盲、色覚異常といった言葉の用例(広辞苑での説明)の変化についても解説いただきました。さらに、CUDOとの関わりの中で、パネルD-15の結果を「綺麗」だと言われた経験が転機になったこと、そこからご自身の色覚への捉え方が変わったことなども紹介いただきました。交流会での議論も、「言葉」を中心に活発に行われ有意義だったのではないかと思います。

・お話を聴いての感想
「言葉」を軸に、3つのポイントがあったように思います。
1)ご自身の色覚への捉え方の変化について(言葉の重み
2)広辞苑の用例の変遷について(言葉の変遷
3)色覚を取り巻く新たな用語について(言葉の発生

1)ご自身の色覚への捉え方の変化について(言葉の重み
CUDOとの関わりの中で、CUDOの事務所へ出向きパネルD-15をやってみたというお話をいただきました。
色弱である場合、一般的な色覚(C型)と比べると異なった結果となるのですが、その結果を見たCUDOの方に「綺麗に並べましたね」と言われたそうです。色弱の当事者にとって、色、配色、そういったもので誰かに褒められる経験はあまり多くはないと想像します。それだけに、その「言葉の重み」がどれほど大きなインパクトであったかということは想像に難くないと思います。特に、同じように色弱の当事者の皆さんであれば、尚のことでしょう。

2)広辞苑の用例の変遷について(言葉の変遷
お仕事で携わっている広辞苑を例に、色盲、色覚異常などの私たちに関わる用語の用例の変遷を紹介いただきました。過去の版では、色盲に不治(の病)といった書き方がされていたものが、時代ともにより実態に即した内容へ変わってきた過程は、とても興味深かったです。広辞苑をはじめとする事典は、社会を写す鏡のようなものだと思います。その時、その時の、時代性、社会性といったものが用例という形で掬いあげられ、その時に編まれる版の中かに掬いあげられていくのだなと感じました。時代と共に変わる言葉の中で、色盲や色弱などといった「言葉の変遷」を見届けるのもまた私たちの役目なのかもしれませんね。

3)色覚を取り巻く新たな用語について(言葉の発生
後半の議論の中で「色覚特性」という割と新しい(人類の言葉の歴史の中では最近に生まれたもの)言葉についての議論が行われました。最近では、以前から使われている色覚異常(医療の分野では今も使われている)、色覚特性の他にも、色覚障がい、色覚多様性といった表現も見られる機会も増えました。当事者としては、1つにしてくれたら良いのに、という思いもあります。反面、一般色覚の人の認識も不揃い、そればかりか、当事者側の立場でも、人によって認識は様々のように見受けられます(まさに多様性)。個人的には、「ある色とある色の見分けが苦手な人がいます」という説明で充分な気もします。ある状況、状態を指す言葉をつくることは、それ自体がラベリング(ラベルを貼って区別をしやすいようにする)になるため、難しいもののようにも感じました。1つ、言えることは、このような「言葉を悩んでくれる人たち」を増やしていくことがCUDの普及につながるのではないかと思いました。一般の大多数の方にとっては、色弱か、色盲か、色覚異常か、なんていうことには、そもそも興味も関心もないように想像します。


・参考 URL
1)経験を総動員して

2)岩波書店 広辞苑

3)舟を編む(NHK BS ドラマ版)

・アンケートのお願い
参加された方には、ぜひ、参加者アンケートのご協力をお願いします。

以上です。